勇者ハナヨメよ、
よくぞここまで辿り着いた!
そなたは「彼がなかなかプロポーズしない沼」を「ゼクシィを机の上に置く呪文」でクリアし、「姑との初対面の森」を「普段はしない控え目メイク装備」で撃破した。
「元カノとのラインやり取りを目撃しちゃった草原」での戦いは、さすがにダメかと思ったが、まさかあそこで「将来的に何かのためにスクショだけして黙っておくの祈り」を出すとは思わなかったぞよ。
最早そなたは「伝説の勇者」という称号を与えるにふさわしい人物になったようじゃ。
だが、そなたには最後にして最大の戦いが待っておる。
決戦の場は語るまでもない「幸せウェディング城」じゃ。
さあ、勇者ハナヨメよ。
幸せウェディング城の扉を開く前に今一度装備を見直すのじゃ。
そして、準備が整ったら話しかけるがよい。
む。わしか、わしはこの地に住む古(いにしえ)の白魔術師、プッチ・バッケーじゃ。伝説の勇者を導く者じゃ。こほん…。
防具 ウェディングドレス
そなたの装備するウェディングドレスは大きく分けて5種類に分けることが出来る。使用目的や得意な戦術に合わせて選ぶがよい。
プリンセス型
付帯魔法も含めてやはり花嫁感を出すにはこの防具じゃ。欠点は狭い場所では動きにくいということじゃな。ちなみに付帯魔法とは装備したら使えるようになる魔法のことじゃ。
付帯魔法 攻撃魔法「アット―テキハナヨメ」
Aライン型
攻撃・防禦に優れたバランスの良い防具じゃ。大きな体形をカバーしてくれると言われているがそこまでの効果はないので注意じゃ。
付帯魔法 防御魔法「ソコソコゴマカース」
エンパイア型
胸の切り返しから裾という独特の防具じゃ。足の長さを敵から隠す事が出来るのが特徴じゃ。
付帯魔法 防御魔法「アシナーガカモ」
スレンダー型
体にフィットする細身の防具じゃ。装備すると攻撃力もあがるが、敵がオスに限るのが難点じゃ。
付帯魔法 攻撃魔法「ワタシイースタイル」
マーメイド型
一見スレンダー型のようだが、裾が人魚のヒレのように広がっているのが特徴の防具じゃ。よほど身体に自信がある勇者用の防具じゃな。攻撃力は抜群に上がるが、付帯魔法はない。下手すると「セクシーサイド」(勇者の攻撃力が強すぎると陥る悪の道)におちいる可能性があるので注意じゃ。
さっき5つのタイプと言ったがおまけで紹介しておこう。
ミニ
裾を短くした防具だ。敵に足を露出することや「羞恥力」を大幅に使って、最大魔法「ワタシカワイイヨメ」を引き出すというギャンブル要素の強い防具じゃ。装備する際には心せよ。
付帯魔法 攻撃魔法「ワタシカワイイヨメ」
さて、本来の選び方はこちらじゃ…。くれぐれも体形で選ぶでないぞ…。
防具アップアイテム
さて、ドレスは決まったかの?
幸せウェディング城の戦いでは、ウェディングドレスの防御力だけでは心もとないかも知れん。気休めかも知れんが紹介しておこう。余力があるなら身に着けるがよい。
サムシングフォー
「サムシングニュー(何か新しい物)」「サムシングオールド(何か古い物)」「サムシングボロウ(何か借りた物)」「サムシングブルー(何か青い物)」の四つのアイテムを身に着けると幸せ力がアップするという複合魔法アイテムじゃ。
これでなくてはならないという決まりはなく、ハンカチ・ネックレス・イヤリング・ブレスレット・下着など身に着けるものを「サムシング●●」にすれば良いのじゃから集めやすかろう。
四つ葉のクローバー
世界中に伝わる幸せ力アップアイテムじゃが、わざわざ本物を探してこなくてもウェディングドレスのレースをその形にするなど、形をまねるだけで幸せ力アップの効果がある便利アイテムじゃ。そなたの様な勇者に限らず全ての民がつかいこなすことが出来る万人向け幸せ力アップアイテムじゃな。ただし欲張って二つも三つも身に着けてはいかん。あくまでも一つじゃ。
キャッツアイ
猫目石といわれる宝石の類じゃな。本物でなくても猫をモチーフにした何かを身に着けることは魔除けの力を持つ猫を召喚するのと同じじゃ。そなたから不幸を遠ざけるのに役立つじゃろう。特に黒猫は福猫と言われており、暗闇でも光るその目で魔を遠ざけてくれるのじゃ。
お守り
もし、そなたが東方の島国出身の勇者ならば、お守りもおススメじゃ。そなたの出身地や居住地の神社などで手に入れることが出来よう。特に神社にはその地の民を守る神が祀られておることが多く、その地の民の一人であるそなたの事もしっかりと守ってくれるはずじゃ。じゃが、普段からお参りをおろそかにしている者は効果が薄かろうな。
防具 兜
ウェディングドレスと防禦アイテムを身に着けたそなたの防御力は各段にアップしたはずじゃ。じゃが、肝心の頭がおろそかじゃ。頭部をカバーするいくつかのアイテムも紹介しておくので、気に入ったら購入して装備するがよい。
ただし、ウェディングドレスとの相性をよく見てから装備しないと、効果が反転し悪影響を及ぼす場合があるので注意じゃ。
ベール
そなたが「幸せウェディング城」の中の「チャペル」で「キリスト教式の戦い」や「人前式の戦い」に臨むなら装備してもよかろう。それらの戦いがないのであれば邪魔になる可能性が高い。また、ベールの効果については詳しくはこちらを読むのじゃ。
ここでは、魔除けの効果より「花嫁力」を基準に紹介しておこうかの。
ショート
肩までの長さ。思い切り短くしてヘアスタイルと一緒にアレンジを考えると楽しいアイテムじゃ。カジュアルな雰囲気になることが多いので「カワイイ力」のアップアイテムじゃ。
ミディアム
背中より下までの長さじゃ。ロングベールをつけたいが、ドレスが少しカジュアルだと選ぶ勇者が多く「おごそか力」のアップじゃな。
ロング
ドレス裾くらいに長いベールじゃ。「花嫁力」「おごそか力」にくわえ「豪華力」もアップするのじゃが、動きづらいことこのうえないのが難点じゃな。
マリアベール
ベールにはもう一種類特別なベールがある。それがマリアベールじゃ。他のベールと違って顔を覆っておらず、わしも「なんのため?」と聞かれたら「うむ。」と言葉を濁すしかないという代物じゃ。
じゃが、マリア様をモチーフにしたそのベールの魔法力はものすごく、最大魔法の一つ「ジュンケツノハナヨメ」を繰り出すことが出来る。
しかし、その最大魔法はヘアスタイル・メイク・ウェディングドレスなど身に着ける様々な防具をマリアベールの雰囲気に合わせないと発動しないのでかなり上級者向きじゃ。
ティアラ・クラウン
王冠を模したこれらのアイテムとプリンセス型のドレスのコンボは最強の組み合わせのひとつじゃ。が、防具同士の相性は抜群じゃが、勇者自体の資質がそうでない場合、「イタイサイド」(勇者の装備が偏りすぎると陥る悪の道)に陥るので注意じゃ。
花冠
クラウンを花(生花でも造花でも)でつくったアイテムじゃ。後に紹介するブーケと合わせると中々強力な攻撃力を発揮するのじゃ。じゃが、装着時はなかなか首や肩が凝るうえ、サイズを間違えると「イタイサイド」に陥る可能性があるので注意じゃ。
サイズ・色・花などバランスよく装備するとやはり最大魔法の一つ「ワタシカワイイヨメ」を発動することが出来る。まあ、かなりの上級者向きじゃな。
黒魔術師プ・ランナーが「キットオニアイニナリマスヨ」の呪文でそなたをだまそうとするが冷静に判断してから装備した方が良いじゃろうな。
伝説の剣 ブーケ
どうやら、防具のセレクトは終わったようじゃな。ふむ、なかなかの勇者具合じゃのう。
じゃが、防御だけでは「幸せウェディング城」の戦いには勝つことはできまい。
そなたの戦いを助ける伝説の剣を紹介しよう。
その名をウェディングブーケという。その効果についてはこちらを見るがよい。
さて、このブーケにもいくつかの形があるのじゃ、ざっくりと分類して紹介するので自分に合ったものを選ぶがよい。
ラウンドブーケ
その名の通り丸形のブーケじゃ。小さ目できっちり丸く作ると最大魔法「ワタシカワイイヨメ」の効果をさらに引き出してくれるようじゃ。最近のトレンドは丸形をすこし崩してナチュラルな花束感を出すことじゃ。最近発見された魔法「ボタニカルナヨメ」を発動することができるが、花材によって「崩れちゃっただけ」に見えないこともないので崩すのは上級者むきじゃな。
クレセントブーケ
三日月をモチーフにしたブーケじゃ。そもそもラッキーアイテムでもある月の形というだけでも攻撃力の高いアイテムじゃが、「上品力」や「大人力」などがアップするのじゃ。
カワイイ系の勇者にはあまりおススメしないが、花材によっては思いっ切りバラエティ路線になるブーケでもあるのじゃ。
その場合、上級魔法「タノシイウェディングダイスキ!」が発動するので試してもいいじゃろう。
キャスケードブーケ
その名の通り「滝」じゃ。ブーケ本体から下に向かって花や葉っぱが飛び出ている形じゃな。とてもバランスの良いブーケじゃ。ほとんどの勇者がこのブーケで戦いに挑んでいるといってもよいじゃろう。下への飛び出し方のバリエーションも様々なので、かわいい・きれい・上品・楽しいなど全てに対応できるのも特徴じゃ。
アームブーケ
茎が太くて長い花をただ束ねたという感じのブーケじゃ。花の選び方や束ねるリボンの形などがシンプルゆえに難しい武器屋泣かせのブーケじゃの。「大人力」アップの代表的なアイテムじゃな。
気を付けなくてはならないのが、間違えた勇者がもつと「買い物帰りに長ネギをぶらさげている」なんて言われかねない「イタイサイド」ギリギリのブーケじゃ。
ティアドロップ
落ちる涙の形を逆さにしたブーケじゃな。とがった部分が長いとキャスケードなのかティアドロップなのか区別がつきにくいだけあってこのブーケもキャスケードと同じくバランスがよい。どんなタイプの勇者にも合わせやすいじゃろう。
バッグブーケ・ボールブーケ
花で作ったバッグやボールに取っ手をつけて、手にかけて提げるタイプのブーケじゃな。
これらは「幸せウェディング城」の戦いにおいて、ゲストから「カワイイー!」の応援魔法を受けることが多い。そして、前述の花冠やミニドレスなどと組み合わせると上級魔法「タノシイウェディングダイスキ!」が、最大魔法の一つ「ウレシイ!タノシイ!ダイスキ!」を昇華することが出来る。じゃが、チャペルでの戦いなど「おごそか力」が必要なフィールドでは弱いかも知れん。
装備は終わった
うーむ。なかなかの勇者っぷりよ。
おそらく、どんな敵もそなたの装備にはかなうまい。
じゃが、そなたの身体はどうじゃ?
長きに渡る「ウェディング準備の戦い」で疲れはたまっておらんか?その場合はこの宿屋で一度休むがよい。
また、もしそなたが「マリッジブルーの呪い」にかかっているのであれがこの教会で呪いを解除した方がよかろう。
最後の魔法
おお、すっかり休養をとり血色もよくなったようじゃ。
表情も晴れ晴れしておる。
では、伝説の勇者を導く白魔術師であるプチ・バッケー?いやプッチ・バケーだっけ、まあいい。わしがそなたに最後の魔法を教えてしんぜよう。
まずは鏡の前に座るがよい。
座ったか?
では、目を閉じよ。ささ、早く。
そして、ここからが大事じゃ。そなたが優しい気持ちになれる場面を想像するがよい。
そうじゃの、
例えば「公園で幼い女の子がお母さんに花を摘んでプレゼントしてるシーンを見ている私。」なんてどうじゃ?だめか?
では「友人の出産祝いにかけつけ、生まれたばかりの赤子のほっぺを指でつついたらその指をぎゅっとつかまれた私。」なんてどうじゃ?
これでも優しい気持ちになれんじゃと?そんな勇者は前項の宿屋まで戻るがよい!
こほん、そうじゃ大事なのは少し遠くからその場面を見ているように想像をすることじゃ。
では、優しい気持ちになれたらそっと目を開けよ。
鏡に映ったそなたのその表情こそが、最大にして最高魔法「ウェディングスマイル」じゃ。
この魔法はどんな防具・どんな武器とも相性がよい。
そして、幸せウェディング城の戦いにおいて、そなたの全ての「花嫁力」をアップしてくれることじゃろう。
勇者ハナヨメよ、まもなく旅立ちの時じゃ。
そなたは幸せウェディング城で十分戦える力を得たはずじゃ。
じゃが、最後にひとつたずねよう。
わしが本当に白魔術師かどうか、
そなたはどうやって見分けるのかね・・・フッフッフ。
…to be continued…
※この物語にはふんだんに主観が入っております。よいハナヨメは真似をしないように!!