すっかり寒くなってきましたね。
つい最近までインナーが半袖だった私も遅ればせながらようやく衣替えをすませました。
毎年ハロウィンが終わると街は一斉にクリスマス一色に。
「ジングルベル」「恋人たちのクリスマス」「クリスマス・イヴ」これらの曲があちこちから聞こえます。
恋人のいる人はウキウキし、恋人がいない人はズキズキ…。
これほどまでに恋愛格差のでる時期はありません。
まだまだ駆け込み即席カップルを狙っている人も、もう既に除夜の鐘で煩悩を払ってもらおうと瞑想にふけっている人も、結局なんだかんだ楽し気な街の雰囲気にやられて「何かいい事が起きちゃうかも!」と思ってしまうのがクリスマス。
そして数年お付き合いしたカップルにとっては「そろそろかな?」と心構えをする日でもありますね。
クリスマスだけでもロマンチックなのに、そのうえサプライズプロポーズ?
どんだけ幸せなのよそれ!うー、よだれ出てきた。
何が起きたってOK!
だってクリスマスだもーん!
そう、恋人たちにとって、これほどまでに何をやっても許される日はありません。
ダイエット中に炭水化物をとりまくるチートデイとは比較にならないチートデイ!
まさにズル。
まさに無敵。
サンタクロースって誰?
そんな浮かれポンチ(死語?)なカップルにそもそもクリスマスとは何ぞやという事をお教えしましょう。
が、その前に恋人のいない人々からは「赤い悪魔」と畏れられるあの人をご紹介します。
彼の名前はサンタクロース。赤と白の服を身にまとい、トナカイに鞭打ってソリをかっ飛ばし、非リア充を空から見下ろし「ホーッホッホ。」とあざ笑う、あのお爺さんです。
白い袋は無限にプレゼントが収納される四次元ポケットで、煙突だろうが窓の隙間だろうがところ構わず一晩中不法に住居侵入を繰り返します。
彼の本名は、セントニコラウス。
諸説ありますが、西暦270年から345年(352年という説も)の12月6日まで実在したキリスト教の司教様です。
彼にはこんな逸話が残されています。
「ある日ニコラウスは身売りをしなければならない女の子の噂を聞き、その家の窓から金貨を投げ込んだ。その金貨が部屋に干されていた靴下の中に入った。」
おー「入るまでチャレンジ動画」に出てきそうな高難度の技を一撃でやったわけですね。
セントニコラウス、既にただ者ではない感じがします。
また、無実の罪に問われた死刑囚を救った絵画も残されておりまして、つまり彼は現代でいうとスゴ技を持つやり手の弁護士さん??
今のサンタクロースのような赤い衣装になったのはずいぶんと後の時代になってから。
1863年に「アメリカ漫画の父」といわれるトーマス・ナストという画家が赤い衣装のサンタクロースを発表したことがきっかけだそうです。最初からあの衣装ではなかったんですね。
実はこの「赤い悪魔」の衣装については、もう一つの説があります。
先ほどから冗談で「赤い悪魔」と言っていますが、本当に悪魔だった説。
どういうこと?
もともとセントニコラウスの日(12月6日)は、ニコラウス役で司祭様の服を着た人物と真っ赤な衣装の悪魔役の人物が、二人一組で子供達の家をまわったそうです。
二人共大きな白い袋を抱えており、ニコラウスの袋にはプレゼントが入っており、悪魔の袋は中身が空っぽでした。
良い子でいると約束した子供にはニコラウスからプレゼントがもらえるのですが、その隣で悪魔が、「良い子にしていないと空っぽの袋の中に引きずりこんで地獄に連れて行ってしまうぞ!」と脅すのだそうです。(強制的すぎないか?)
いつしかそれがごちゃまぜになり、赤い悪魔の服だけが残ったそうです。
まさか、本当に赤い悪魔だったとは・・・!
ちなみに、その赤い悪魔のソリを引っ張る赤鼻のルドルフ以下、8頭(9頭という説も)のトナカイ達は一体どこから登場したのでしょう?
犬だって、馬だっていいじゃないか!なんなら牛だって…。
これはサンタクロースのお話が北欧に広がった際に、魔法を使えるというサ―ミ人と呼ばれる遊牧民達がトナカイを連れていたという話から混在していったようです。
魔法を使える遊牧民って、そっちの方がサンタクロースより凄くない?
クリスマスって何の日?
「クリスマスって何を祝う日なの?」
という質問に
「イエスキリストの聖誕祭でしょ?」と答える方が多いのでは?
キリストの誕生を祝う日であることは間違いありませんが、しかし、キリストの誕生日はこの日ではありません。まるで今月の売上が足りないキャバクラのお姉さんが「私の生誕祭だお、●●さん(お客様であるおじさんのお名前)に会えないのはさびしいよ。」と送るラインのようなおそろしいテクニックをまさかキリストが?
冗談はさておき、聖書にキリストの誕生日についての正確な記述はありません。
それどころか、聖書を紐解いていくと、聖母マリアがキリストを生む前に大移動をしており、それはクリスマスである冬には不可能なことであったり、キリストが生まれたとされる場所の描写がその季節ではあり得ないものであったりと、12月どころか冬ですらない可能性もあったりします。
きっと後世の誰かがその時に都合の良い日をクリスマスってことにしちゃえって決めたんでしょうね。
天にいらっしゃるであろうキリスト様も「え、俺の誕生日って12月25日ってことになってんの?」とびっくりされていることでしょう。
とにもかくにも世界中の人々がキリストの生誕を祝うわけですが、誕生日のお祝いが各家庭や個人によって違うように、キリストの生誕祭も国や地域によって様々です。
キリスト教の総本山的なローマカトリック教会では、12月24日のクリスマスイヴにミサが開かれ、世界中のキリスト教信者が集まるそうです。
パーティー好きなアメリカ人になるとどうでしょう?
結構な大人になっても家族で過ごすことが多いみたい。
そして「何そのセーター、ダサっ!」っていうめちゃクリスマスなセーターを着てツリーの下に積まれたプレゼントを空ける。最初にプレゼントを空ける権利はツリーに飾られたオーナメントの中からピクルスのオーナメントを見つけた人。
何でピクルス?
これは戦時中に負傷して弱った兵隊さんにピクルスをあげたらみるみる回復したっていう逸話から。
家族で盛りあがってるとママがオーブンから七面鳥の丸焼きを出して、子供達は大歓声です。何だかアメリカって感じですねえ。
日本では、七面鳥に代わって大活躍するのが、KFC。
世界中でクリスマスをケンタッキーフライドチキンでお祝いするのは日本人だけみたい。
やるな、日本KFCホールディングス株式会社!
カップルたちの聖なる夜
ちょっとだけクリスマスに詳しくなったところで、私たち日本人には何の問題もございません。何てたって年に一回のチートデイなんだから。
そして恋人はサンタクロースなんだから。
とにもかくにもロマンチックに過ごせればいいんです。
何ならこの日に恋人から婚約者に昇格して、数日後にはお相手のご両親に挨拶かまして公認婚約者になってしまおうという算段です。
世の中の夫婦にアンケート
「プロポーズはいつしましたか?」
第一位は二人の記念日だそうです。
おそらく、二人が出会った日やお付き合いをはじめた日などになるのでしょうね。
続く第二位が彼女の誕生日。
うーむ、さすがのキリストの誕生日も彼女の誕生日には敵わなかったみたいですね。
そして、第三位に堂々とランクインしたのが、
クリスマスイブ!
そうなのです、25日のクリスマス当日よりもこの聖なる夜と呼ばれる12月24日が大事!
さらにさらにアンケート。
「付き合ってどれくらいでプロポーズしましたか?」
半年~1年未満が20%
1年~2年未満が27%
2年~3年未満が14%
つまり、半年から3年未満でプロポーズというカップルが61%もいるんです。これってほとんど当たる確率よね。パチンコでいうなら確変をひいてるくらい「入ってる」状態です。(分からない?すみません…ほぼ当たるってこと!)
半年以上付き合っている彼がいるなら今年のクリスマスあたりにひょっとしてひょっとするかも!!
「クリスマスにやたら気合い入った服を着てデートってちょっとな。」とか言ってる場合じゃございません。
あわててエステに行き、ネイルサロンに行き、美容院に行きなさい!
シチュエーション大事!
かなりの高確率でプロポーズされちゃうなら、シチュエーションも大事です。
ここは慎重に場所を選ぶべき。
いつも素敵な場所を選んでくれる彼ならば、なーんも考えず身をゆだねてしまえばいいのですが、大抵の男性はそうではないことは既にご存知ですよね?
いつも通りの居酒屋や掃除の行き届いていない自分の部屋で済まそうとする彼にはトナカイのように鞭で打った後、白い袋に詰め込んで悪魔に連れて行ってもらって下さい。
行きたかった予約の取れないあの店に行くチャンスですー。
今からしっかりおねだりしちゃいましょうね。
普段と違う雰囲気を味わいたいなら、個人的なおススメはコンサートやミサ。
クリスマスシーズンは街のいたる所でコンサートが開かれています。普段は眠くなってしまうクラシックコンサートでもクリスマスにちなんだ曲が演目に入っていることが多いので聞きなじみありますし、何より「なんかいつもと違う感。」満載です。
近所でミサを開く教会があるなら行ってみるのもいいかも。最近は信者でなくても門戸をひらいてくれる教会も沢山あるので調べてみて。
コンサートもミサも共通して良いところは「ちゃんとした服を着ていく場所」ってこと。
前述した「クリスマスにやたら気合の入った服で…。」の言い訳にもなるでしょ?
ちなみに私の個人的アンケートによる「意外と盛り上がらなかった。」スポットはイルミネーション。もちろん、コンサートや食事するついでに立ち寄ってみようということなら良いのですが、イルミネーションを見に行くという事だけイベントにしてしまうとダメみたい。
やっぱり寒いし、何なら歩くだけ。「きれいだねー。」「写真撮ろっ!」くらいしかなく「この後どーするー。」ってなるみたいです。
イルミネーションは食事やお泊りなどとセットじゃないとね!
さてさて、ここまで言っても出かけるのが億劫で自宅でひっそり派のあなた!
うーむ困ったものですが、せっかくですのでご自宅もクリスマス仕様にしちゃいましょう。
まずはしっかりお掃除して(させて!)きれいにしましょう。
BGMはクリスマスソングのジャズアレンジ。
部屋の照明は全部消して、床置きの照明だけON!
テーブルの上にキャンドル。ひそかにアロマをたいておきましょう。
カーテンのタッセルがさり気なくクリスマスのオーナメントになってたりすると気が利いてます。
「えー、今更、恥ずかしいよー。」とか言ってる場合じゃありません。
合言葉は「だってクリスマスなんだもーん!」です。
そしてシャンパンくらい冷やしておきなさーい。
クリスマスイヴの結婚式
さて、世の中にはどうしてもこの聖なる夜に結婚式を挙げたいというカップルが一定数いらっしゃいます。
街全体がロマンチックだし、結婚記念日絶対に忘れないし、いいことだらけ!
…か?
ゲストにとってはいかがなものかと…。
反論を恐れずに申し上げるなら、ゲストにとってはちょっと迷惑かも。
クリスマスは忙しい年末でもあります。後数日で年末年始のお休みになってしまう!今年中に終わらせておきたい仕事も山積み…。
また、未婚のゲストにとってはそれこそプロポーズされちゃう日かも知れないし。
それでも、どうしてもクリスマスイヴにウェディングをしたいという方はゲストにとっても「ロマンチックで特別な日」にしてあげることが大事です。
時間も大事。
せっかくのクリスマスイヴウェディング。夜こそロマンチックな雰囲気になるのは分かるけど、日没は午後16:30くらいなのでせめて17:00くらいにはお開きになる時間を選んで、ゲストがウェディングに参加した後、恋人や家族と過ごせる時間を作ってあげて。
あなたの結婚式に参加したゲストが、ロマンチックな気分のまま、恋人と待ち合わせして、その後プロポーズなんてされたら最高ですよね。
未婚のゲスト全員に小さなブーケをプレゼントしたり、小さなお子様にはサンタクロースのようにそれぞれに欲しがっていたおもちゃをプレゼントしたり。
ご家族で参加したゲストはお家に帰ってからパーティーが出来るようにケーキをプレゼントしたり。恋人がいないゲスト限定の二次会を開いたり(これはちょっとあからさま過ぎかも…。)。
誰にとってもあなたたちのウェディングが一年に一度の特別な日のプロローグになっていたら素敵です。
聖なる夜に…。
クリスマスがイエスキリストの生まれた日を祝う日だとするならば、多くの日本人にとってあまり関係のない日なのかも知れません。
ですが、この世界を愛でつつみこもうとした人が生まれた日であることは間違いありません。その人が生まれてこなければ今日の私たちはいなかったかも知れないのです。
だからといって、普段は祈ることすらしない神様に感謝する必要はなくて、もっとうんと身近な誰かに感謝する日にしてみてもいいのかなと思うのです。
「私を生んでくれてありがとう。」
「いつも隣にいてくれてありがとう。」
「生まれてきてくれてありがとう。」
家族に対する感謝はもちろんですが、なんなら両手を広げて地球全部に、
「そこに在ってくれてありがとう!」
だっていいと思います。
メリークリスマス!
あなたにとって最高のクリスマスでありますように!!
◀︎前の記事「花嫁修行、致しません」 ▶︎次の記事「結婚にかかる費用を真面目に…」