プロポーズが終わり、ご両親への挨拶もしつつ、いよいよウェディングをする場所を選ぶ時がやってきます。
新郎新婦のつもりで「結婚式場選び」などと検索してみました・・・結果が凄すぎる・・・。
後悔しない式●選び!
結婚式●備最強ノウハウ!
結婚準備完璧マニ●アル!
後悔しなくて、最強で、完璧!
まるで北斗の拳に出てくるラオウやサウザーのようです。
(すみません。若い子には分からないかも。要はアクション漫画のラスボス級の人達です。)
とにかくそんなパワーワードで押してくるので「うんうん。なら安心だ。」と思うわけですが、ちょっとサイトを見てみるとトンでもないことに気付きます。
同じサイトの中にあるコーナー。
「先輩花嫁に聞く!ここが後悔したこと10選(※怒られちゃうのでタイトルは適当に変えてます。)」っておい。後悔してるやんけ。(すみません。あまりの衝撃に関西弁になってしまいました。)
つまりですね新郎新婦にとって「後悔しなくて、最強で、完璧」ではなく新郎新婦の失敗や後悔を糧に作り手側が最終的には「最強で完璧」になろうって代物なのです。
私だったら、「後悔しずらい式場選び」や「結婚式準備そこそこノウハウブック」、「結婚式準備8割OKマニュアル」とかの方が信用できますね。
もちろん作り手側に悪気はありません。
当人たちも自分達の姿勢に気付いていませんので。
と長い前置きになりましたがはっきり言っておきます。
『ウェディング、大抵の人は後悔してます!』
言い切ってしまった。こわい。
式場選びまでは完璧だった?ただちょっと…。
結婚を後悔してはいません。
結婚式を挙げたことも正しい選択でした。
チャペルは天井が高く素敵でした。
パーティー会場も目の前が海で理想通りでした。
ただちょっと…。
そう、これ!
「ただ、ちょっと。」なのです。
結婚という制度にも、
結婚式というセレモニーにも、
天井の高いチャペルにも、海が目の前の素敵なパーティー会場にも罪はありません。
ここまでは理想通り、まさに「後悔しない、最強で完璧!」だったのです。
前項で思いっきり式場選びサイトをディスってしまいましたが、彼等はここまでだったらちゃんと「最強で完璧」だったのです。
1.ただちょっと、料理が冷めていました。
2.ただちょっと、メイクが気に入らなかった。
などのミスもあれば、
3.ただちょっと、ガーデンパーティー、思ったより風が強かった。
4.ただちょっと、海見えのパーティールーム、思ったより西日が強かった。
などの天候もあり、
5.ただちょっと、ゲストが早く来てしまい、待って頂く場所がなかった。
などの状況もあります。
つまり、厳密に言えば「式場のせいじゃない。」事ばかり。
式場側の言い分はこんな感じになりそうです。
1.5分と聞いていた余興が20分になってしまい出すべきタイミングに出せなかった。
2.リハーサル通りに仕上げた。たまたま新婦が友人から「少し濃くない?」と言われたことで新婦がそう感じでしまったのでは?
3.お申込時に風が強い日があると伝えていた。
4.ブライダルフェアの時、座って確かめてもらった。
5.待合い室がないことは招待状に記載してある。
ああ、言った言わないの話になるのが目に浮かびます。
何故起こる?
どんな商売でも起こりうることですが、ウェディングというサービスは特に多いようです。新郎新婦も事前に完成した物を見ることが出来ないこと、ライブイベントであることを理解しておく必要があるようです。
さて、片側では「イメージ通りでした!」「大満足!」という先輩花嫁も沢山いらっしゃいます。その場合、前述した「ただちょっと…。」は「敢えてあげるとしたら」になり、ニュアンスが全然違います。
例えば2.「リハーサル通りで私は気に入ってたんだけど、友達からいつもより濃い目と言われてしまった。」とか、3.「思ったより風が強かったけど、かえって海のイメージが強まった。」とか、5.「親戚が早く着きすぎてしまったけど、式場のスタッフが素早く近くのカフェをおさえてくれた。」など。
同じ事象で、式場も同じ対応をしたとしてこの違いは何でしょう?
概ねの原因は、式場のスタッフと新郎新婦の関係に起因します。
お申込みから当日まで新郎新婦が担当者に対し不満があり不安を抱えながら当日を迎えた場合は前者になり、担当者が新郎新婦にとって頼りになり、より深くコミュニケーションをとっていた場合は後者になります。
これはウェディングに限らずどんな商売でも一緒ですね。
後者だった場合、致命的なミスですら満足に変わる可能性もあります。
例えば、「司会者が新郎の名前を間違えて呼んでしまった!」というようなミスも笑って許せるような事が本当に起こるのです。(さすがにこれはあり得ませんが。)
人!大事!!
ずばり言えば、後悔しない式場選びのポイントは式場自体ではないのです。式場のスタッフが大事です。
今時の式場は皆お洒落でお客様の動線も良く考えられています。概ね新郎新婦の希望を満たしてくれるでしょう。
ですが、人はそうはいきません。どんなに優秀なスタッフだって人と人ですから相性ってものがあります。
では、担当者を選べるかというと式場は選べても担当者は選べないのが実情ですし、事前に選べと言われたところでどんな人かも分からないのに選べるわけもありません。
時々、プランナー指名制度やヘアメイクやカメラマンなども選べる式場を見かけますが、はっきり言って「どんな基準で選ぶの?」と思います。(しかも、謎に料金が高くなる!)
カメラマンなら過去の作品を見て何とか選べる気もしますが…。
では、どうやって「人」を見分けるか?
個人個人を見てまわるわけにもいきません、面談してくれるわけでもありませんのでその式場で働いている人達の雰囲気を見るしかありません。
脱線しますが、例えばレストランに行って「ああ、この店絶対キッチンとホールの仲悪いでしょ。」とか見えちゃうレストランってありませんか?
他にもいかにも学生アルバイトって感じのウェイトレスがのびのび働いているレストランだと料理も美味しく感じませんか?
皆さんが普段から使っているその目利き能力を存分に生かしてみて下さい。
ブライダルフェアや内覧に行った時に「スタッフの雰囲気いいなあ。」と思えたら後悔しなくてすむ可能性が高くなることでしょう。
抜き打ち!!
これを言うと無茶苦茶式場に嫌われますが、私のおススメは「平日突然飛び込みで内覧してみる。」です。
多くの新郎新婦が式場選びのために動くのは土日です。当然ブライダルフェアも土日に開催されていることが多く、式場側もそこで申し込みを獲得するために気合が入っている状態です。人員も潤沢に配置され賑やかで華々しく、皆さんの目もごまかされてしまうかも知れません。
翻って平日はどうでしょうか?言い方はおかしいですが式場側も油断していますし、人員も少な目です。また、経費削減のため式場内が真っ暗という施設だってあります。
ですので多くの式場が内覧は予約制になっています。予約時間のちょっと前に式場内の照明をつけて空調を入れれば良いのですから。
準備の出来ていない式場はどんなに素敵でも3割減。なのでここでは式場を見に行くことを目的とせずスタッフの対応だけを見てみましょう。
ニコっと笑って「少しだけお待ちください。」と言いながら急いで準備して、しっかりとお話しを聞いてくれるスタッフがいたならちょっと安心です。
また、「大変申し訳ございません。内覧は予約制ですので。」とか「本日は担当者がおりません。」とか言われても、切り捨てずにその場で土日のフェアの予約だけして撤収しましょう。
そして、フェア当日、あなたを平日に断ったスタッフだけでなく他のスタッフも「先日はせっかくお越し頂いたのに申し訳ございません。今日はしっかりご案内させて頂きますね。」などと言ってくれたら、式場内のコミュニケーションが良いといえます。
その他にも様々な方法で抜き打ちすることが出来ます。
例えば13時からはじまる試食会付きのフェアに予約をしているとして、12時半頃に「すみません、言うのを忘れてましたが●●と●●が食べられません。」と言ってみて下さい。にこやかに対応してくれたらまずは合格で、さらにその式場が飲食店としても営業しているなら別の日にコースの予約をしてください。当日コース料理から●●と●●がしっかり抜かれていたらウェディングスタッフと飲食スタッフのコミュニケーションもしっかりしていると言えます。
そんなの普通でしょ?とお思いかも知れませんが意外と出来ていない式場が多いのも事実です。
さらにさらに担当者チェックです!
皆さんもそうだと思いますが一か所で働き続けるということは、それだけその勤務先に詳しくなるということですよね。
さて、ブライダルフェアや内覧当日に担当してくれた笑顔の素敵なあのプランナーさんはどうでしょうか?
前項でも申し上げましたがウェディングという商売はその営業活動のほとんどが土日に集約されています。
式場側も土日には十分な人を配置していますが、その人達がそのまま平日もそこで働いているでしょうか?皆さんの会社にも繁忙期だけお願いする派遣さんや業務委託の方たちがいませんか?
特にコロナの影響で式場側の経営も厳しい状況です。今まで勤めていたベテランプランナーを解雇しなくてはならない状況も多く見受けられます。もちろん、その後もそのプランナーが土日だけのアルバイトとか担当組数に対してギャラが発生する業務委託になってくれればノウハウを持っていると言えますが、プランナー側だって働かなくては食べていけませんので他に仕事を持ってしまう可能性だってあります。
一番いいのは「あなたは、正社員ですか?」や「常勤のスタッフですか?」と聞いてしまうことです。
聞けないような状況でしたら、平日に数回電話をかけてみることです。もちろん週休二日ならいないこともあるでしょうが、いつも不在で外から電話がかかってくるとかメールで連絡がくるなどの場合は常勤スタッフでない可能性が高そうです。
誤解のないようにお願いしたいのですが、アルバイトでも業務委託でも優秀な人は沢山いますし、コミュニケーション能力の高い人もいます。むしろフリーで色々な式場をかけ持っている人がいたとしたら個々の能力はそちらの方が高いかも知れません。
ただし、ウェディングはプランナーが一人で作り上げるものではありません。
各方面の担当者と連絡を密に取り合う必要がありますので、常勤しているスタッフの方が仕事はしやすい側面があるのはいなめません。
出入りしているスタッフとのコミュニケーション
前述したようにウェディングはプランナーだけでは成り立ちません。
ウェディングドレス、装花、ヘアメイク、カマラマン、司会者などなど。
そして、それらのスタッフは式場とは別の会社に所属していることがほとんどです。
この式場に出入りしている別会社のスタッフとのコミュニケーションも見ておきたい所です。ブライダルフェアではそれらのスタッフも協力スタッフとして出入りしていることが多いのでチャンスです。
レストランでの目利き能力をふんだんに活かして雰囲気を見るのも一つですが、急に無理難題を言ってみるのも手です。
例えば「申し込みの前にウェディングドレスの試着は出来ますか?」と聞いてみましょう。大抵の式場は対応してくれるはずです。そして、提携しているドレスショップを紹介してくれるか式場内にあるドレスサロンに予約をとってくれるでしょう。
ここでも主体はウェディングドレスを見るのではなく、式場側とのコミュニケーションを見ましょう。事前に伝えていた好みやサイズ感などが伝わっていないとか、申込前という事を知らないとか…。ちょっと不安になりますね。
後悔しない式場選び
ウェディングはプランナー一人では成立しません。実に多くのスタッフが一組のカップルのために一つのチームとして働いています。そして、何より重要なのは新郎新婦もそのチームの一員であるということです。もちろんサービスを受ける側でありお客様であることはゆるぎない事実ですが。
一つのチームであるとした場合、プロデューサーたるお二人の希望や想いがどれだけチームに伝わるかがとても重要です。その代弁者であるウェディングプランナーの役割はお二人からどれだけ希望や想いを引き出せるか?そしてそれに相応しい提案を出来るか?という表面的な役割以上にチームにどれだけ伝えることが出来るかという内向きのコミュニケーション能力が求められます。個々の能力を推しはかるのは難しいとすれば、そのコミュニケーションが取れる土壌がその式場にどれくらいあるのか?
これが後悔しない式場選びのポイントです。
これは決して難しいことではありません。私たちは普段から、レストランで雰囲気を感じとったり、仕事中取引先や部下などのスキルを推しはかったりしているはずです。
ウェディングとなるとはじめての事なのでその能力を発揮せず、ただただ「素敵!」とか「かわいい!」、あるいは条件にあっているなどで式場を選びがちになってしまいます。
後悔しない式場選び。ポイントは人と言いましたが、そうはいっても素敵なチャペルに憧れますよねえ。
まあ、あくまでもそういう目線も大事ですよ。という感じで…お願いします。