突然ですが、
長い事(ン十年?)ウェディングのお仕事に携わっておりますと、いざ友人や知人が結婚をする際に「結婚式の準備って何するの?」という質問をされることが多々あります。
実は私この友人の結婚式というやつが苦手でして…。
「せっかくウェディングプランナーなんて仕事してるんだから、私の結婚式はお願いね!」などと言われると「あ、うん。私に何か出来ることがあれば…。」などお茶を濁してしまいます。もちろん大切な友人の結婚式のお手伝いが出来るのは喜ばしいことなのですが、十代の頃の淡い恋物語や語ってはならぬ黒歴史を知っている友人の前で「はい、私ウェディングプランナーですから。」みたいな顔でお仕事するのが照れくさく…。
実際お手伝いをした友人は「この人誰?って思ったよ、とても十代の頃に●●や●●だった(ご想像にお任せします)とは思えないわー。」と褒められているやらディスられているやら…。
私のハナシはさておき、式場の見学やブライダルフェアを経て式場にお申し込みをしたら、いよいよ結婚式の打合せがはじまります。
最初の「結婚式の準備って何するの?」という質問は言いかえると「結婚式の打合せって何をするの?」という事になるように思います。
というわけで今回は一般的な結婚式の打合せについて掘り下げてみたいと思います。
伝統的な結婚式とはかけはなれた「ぷちばけ」ではありますが、打合せの基本は変わりませんので参考にしてみてください。
そもそも結婚式の打ち合わせとは?
さて、打合せとは何ぞや?という超根本的なお話です。
結婚式場では初めて訪れるお客様へご案内をする担当者とお客様がその式場にお申し込みをした後に具体的な中身についてサポートをしてくれる担当者が別々であることが多いようです。
前者の仕事はお客様に申し込んでもらってなんぼの営業で、業界では「新規担当」とか「営業」(そのまま!)とか言われたりします。
この人達の仕事はブライダルフェアなどでにこやかに接客し、しっかりと式場のご案内をした後に「今なら!」や「この時期なら!」や「フェアに参加して頂いた特典として!」など色々なお見積りを繰り出し、お客様に申込書を書いて頂いたら終了です。
めでたくお申し込みをもらったら、バックヤードで「いえーい!」とか「達成―!」とか盛り上がっていることでしょう。営業なので当然ですね。
そして、申込後に出て来る後者がいわゆる「ウェディングプランナー」という肩書を持つ人達です。お客様はこのウェディングプランナーさんと「打合せ」をしながら具体的な内容を決めていくということになります。
お客様は式場やウェディングサロンに数回通って、プランナーさんの説明を聞いたり、宿題をこなしたり、何かを選択したりという事を繰り返します。
これがいわゆる「打合せ」というやつなのです。
ウェディングプランナーの仕事には正解というものがなく式場や会社によって様々。
ガッチガチにルールが決まっている式場だとプランナーの仕事は、二人の希望を上手にそのルールに当てはめるような感じになりますし、売上重視の会社だと色々な商品をあの手この手で販売しなくてはなりません。
ただ、基本的に決めなくてはならない事はどの式場も変わりません。
結婚式打合せって、いつから?
さて、この打合せですが結婚式のどれくらい前からスタートするのでしょうか?
その前にあなたが式場にお申し込みをするのは結婚式の日からどれくらい前になるでしょうか?
今は様々な結婚式のスタイルがあるので一概には言えませんが、平均すると約8ヶ月前だそうです。
あなたが8ヶ月前に申し込みをしたとします。
あなたとしては「さあ、色々やらなくちゃ!」となると思いますが、ここで式場から冷や水をぶっかけられることになります。
意気揚々と「●月●日にそちらで結婚式をする●●(あなたの名前)ですけど、初回の打合せを…。」と式場に連絡しますと、大抵は「お打合せがはじまるのはだいたいお式の3ヶ月前くらいからですので、4ヶ月前くらいになりましたらこちらからご連絡させて頂きますね。ちなみに今お困りのことはありますか?何でも聞いてください!」と口調は明るく丁寧ですが、やんわり「まだ来なくていいよ。」と言われてしまいます。
式場に申し込みをする前は、やれフェアだ、やれ試食だと「来てね!」という雰囲気だったのに…?5ヶ月間何してればいいの??
結婚式の打ち合わせ 回数は?
これは多くの件数をこなす人気の式場では仕方ない事なのです。
皆さんが見学やフェア、お申し込みをする日はおそらく土日が多いと思います。
そして、お申し込みをした後、打合せに行く日も土日。もちろん結婚式も土日。
一人のプランナーがお客様とじっくり打合せをする回数は4~5回が平均と言われています。プランナーによりますが一回の打合せに2時間かけたとすると、一組のお客様に対面で使う時間は2時間×5回の10時間となります。
プランナーが1ヶ月に持っている土日祝日の勤務時間を1日8時間×約10日の計80時間とすると物理的には8組のお客様に対応する時間を持っていることになります。
つまり、1ヶ月に8組以上担当すると残業するか運よく平日来てくれるお客様がいなくては成り立たなくなるのです。
仮にお客様の打合せを8ヶ月前からはじめた場合、プランナーは8組×8ヶ月の計64組のお客様を同時に担当することになります。
例えば、あなたの仕事において、あなたと個別に会いたがっている取引先が64社あって、8ヶ月間でぞれぞれと5回ずつアポをとらなくてはならない。しかも使える曜日は火曜日と水曜日のみ。おまけにあなたには秘書や部下はついておらず、それぞれのアポに対してそこそこの準備と事後処理がついてまわります。
もしこの調整をあなたが「余裕でしょ!」と言えるなら、あなたは間違いなく大出世しているはず!
というわけなので「3ヶ月前から来てください。」と言われたら「うーん、さすが私の選んだ人気の式場ね!」とおとなしく待つしかありません。
ここまでは、プランナーと対面でじっくり打合せをした場合のお話です。
打合せの中にはプランナーが登場しない打合せもあります。
ドレスの試着はドレスサロンのスタッフ、装飾装花の打合せはお花屋さん、選曲はプロのサウンド担当、最終進行の打合せは司会者、ヘアメイクリハーサルはヘアメイク、試食はもちろん飲食スタッフがというようにプランナーが同席する場合もありますが、そこは式場により大分差があるようです。
つまり、打合せの回数は4~5回と言いましたがプランナーと合わない打合せも入れるとプラス2~3回、6~8回は覚悟しておいた方が良いでしょう。
実はこのスケジュールは担当するプランナーによって結構左右されます。スケジュールや段取りが上手なプランナーさんだと上手に色々な打合せをブッキングしてくれて回数は減り、そうでない場合は増える可能性があるのです。
後述しますがプランナーと合う前から始められるドレス選びなどを回数にいれず、仮に7回の打合せが結婚式前3ヶ月にあるとしたら、12日に1回打合せがあることになります。つまりほぼ隔週に1回の割り合いで打合せが入ってくると思っていれば間違いないのではないでしょうか?
結婚式打合せ 絶対的空白期間?
さて、お申し込み直後で結婚式準備に対して鼻息の荒いあなたをやんわり「まだ来ないでいいよ。」と突き放してしまうとあなたは「5ヶ月何してればいいのよ!」と少し憤慨した挙句、独自に情報収集し準備をはじめようとします。最も多いのがドレス選びです。
結婚も決まってないうちにドレスショップを訪れるのは敷居が高いですが、式場も日程も決まった後はバリアフリーかっていうくらい敷居が低くなるのです。
あなたは意気揚々とドレスショップに予約を入れてお気に入りのドレスと出会いお申し込みをしてしまいます。
そして、打合せがはじまった時、担当にプランナーに「ドレスは●●っていうショップの物にしました。」と言い放ちますが、プランナーは冷たく「提携外のショップなので持込料がかかりますね。」などと言われてしまうのです。
もちろん、ショップの方であなたの式場と提携しているかしていないかはちゃんと説明してくれるので安心して下さい。少し大げさに言っています。
というわけで式場側としても「まだ来なくていいよー。」と言いつつ、あなたを野放しにはできないので、先に提携しているドレスショップを案内してくれるのです。
もちろんドレス選びに時間をかけるのは良いことなのですが「打合せはまだだから、先にドレスでも選んどけー。」という式場側の事情もあるわけです。
そもそも挙式やパーティーのイメージが具体的ではない時点でドレスを選ぶのはいかがなものかと思いますが、まあ致し方ないのかも知れません。
打合せがはじまる前にトレーンの長い素敵なドレスを選んだのはいいけど、打合せがはじまったら、意外とアクティブに動き回るパーティーになった。なんて事が起き得るわけです。
結婚式打合せ 流れ
さてさて、いよいよ打合せがはじまります。
結婚式は3ヶ月後と迫ってますので待ったなしです。
初回の打ち合わせではプランナーから当日までのスケジュールをしっかりと説明してくれることでしょう。
そして一般的な進行の説明をしながらお二人にやりたいことや、やりたくないことを聞いてきます。曰くケーキカットはするか?お色直しはするか?などなど。もちろんそれぞれのイベントについては色々な例をあげて分かりやすく説明してくれることでしょう。
一般的な結婚式の流れは下記を参考にして下さい。
しかし、お二人からすると、そもそも「やりたいかやりたくないか。」すら決まっていないので戸惑うかも知れません。結局「他の人ってどうしてるんですか?」みたいな質問をすることになります。結果として一般的な結婚式に落ち着いていくという具合です。
もし担当プランナーが、お二人がどこまでイメージ出来ているかを探りながら、適した提案をしてくれる人だった場合は一安心です。
ここでの見極めは結構大事で初回の打ち合わせであまりイメージ出来ていない場合はちゃんと聞きなおしたり、「それでいっか。」と言わずに、持ち帰って検討したりしましょうね。
結婚式招待状 何ヶ月前?
多くの式場で見受けられるのが初回の打ち合わせで招待状について決めて下さいという流れ。お二人からすると全体を何となくイメージしている最中なのに急に具体的な話がはじまったという感じになり、思わず「え、今日決めるんですか?」と言ってしまいます。
一般的な招待状はゲストのお手元に結婚式の2ヶ月前に届き、1ヶ月前までに返事をして下さいと記載されています。
それ以上早いとまだスケジュールが分からない。それより遅いとすでにスケジュールが埋まってしまっているかも知れないという観点から生まれた結構普遍的で伝統的なスケジュールです。
招待状はこれに決めたから、はい印刷というわけにいかず、誰の名前で出すか?どこに返信をもらうか?文面はどうするか?早めに来てもらう人に付箋を入れるか?などなどを細かく決める必要があり、さらに印刷後に宛名を書く必要があります。
そうこうしているうちに結婚式2ヶ月前になり「発送しなくては」という時期が来てしまいます。というわけで初回の打ち合わせで決めなくてはならないということになるわけです。
二人の結婚式のテーマやイメージカラーなどをゆっくり考えて、それに相応しい招待状にしようなんて夢のまた夢ということに…。
結婚式の打合せ まとめ
さて、今回は初回の打ち合わせまでしか書くことが出来ませんでした。
少し大げさに書いてあるかも知れませんが、それに近しいことが起きていることは間違いありません。
そして、その後の打合せでも様々なことが起き得ます。
この後、どんな打合せが待っているのか?
そうならないために何を準備したらよいのか?
などはまた近いうちにアップさせて頂きますので参考にして下さい。
「いやいや、もう私たち打合せはじまるんですけど!」と待てない方はお気軽に問合せ下さい。その後の一般的な打合せの流れを説明させて頂きますので。
ぷちばけでウェディングをやる場合はどうなの?とよく聞かれます。
私たちは「3ヶ月前から」とか言わないですし、
お二人のイメージが固まらないうちにドレス選びや招待状選び(まあ、招待状をしっかり出すウェディングの方が少ないかも)などは致しません。
何故なら年間20組様という限定ですので、結構ゆるゆるとやっています。
本来、どの式場のプランナーさんも「そうあるべき」と思っている気がしないでもありません。ぷちばけはプランナーさんにとっては理想の環境かも知れませんねー。