お義父さんの実態?
涙・涙の幸せプロポーズの後、皆さんは何をするだろうか?
色々あるがクリアしなくてはならない問題としてお相手の両親への挨拶がある。
このことを軽んじることなかれ。
残念ながら、適当な感じの挨拶やそもそもこの儀式を回避することも可能なのが昨今の結婚事情だ。昔のように「挨拶もろくに出来んだと?そんな男に娘はやらん!」という強めのお父さんが少なくなっているのもその要因だ。
現在お父さん達の主流は40~50代だ。この世代の特徴は状況の変化に対してかなり柔軟な対応ができるということだ。
社会人になったばかりの頃は電話とファックスの時代でビジネスツールにPCすらなく、ようやく仕事を覚えたばかりの20代後半はインターネットを使いこなせないと生き残れなかった。そして、前時代的な年功序列・終身雇用という制度にどっぷり染まった先輩方と折り合いをつけながら生きてきた。
なので仮にあなたやあなたの彼が「結婚の挨拶」に行かなかいあるいは適当にしたとしても「まあ、今時はそんなもんかな。」と飲み込んでしまうのだ。
がしかしそのお父さん達、飲み込みはするもののあなたへの評価は「そんなもの。」と決めてしまう。
もちろんあなたの両親はあなたのことを溺愛しているはずなので言い換えればあなたのパートナーへの評価が「そんなもの」になってしまうのだ。
何ならあなたのパートナーを「ユトリ」とか「サトリ」と一括りに捉えてしまうことだろう。
若いカップルからすればパートナーが両親から「そんなもの。」と評価されてもどこ吹く風だろう。
しかし、その最初の面倒を避けたがためにその後の夫婦生活にどれくらい影響を及ぼすかを考えたことがあるだろうか?
いや、絶対ないな。これ。
第一印象しかないのだ!
今更細かく説明する必要もないが、人間の第一印象はとても大事だということに反論する人は少ないだろう。知り合った相手の第一印象がネガティブだった場合、その相手の印象はずーっとネガティブのままだ。数年後に「第一印象は無茶苦茶悪かったよねー。」なんて笑い話をして安心しているかも知れないが、実はその第一印象は消えていない。
仮に第一印象が「ちょっと軽いな。」という相手がいたとしよう。数年付き合ってみると実は友情に厚く仲間思いだったとする。が、しかし、何かの行き違いがあった時にやはりあなたは「ああ、やっぱり軽いから。」と思ってしまい第一印象はしっかりと戻ってくる。
そして、戻ってきたが最後、以降あなたの相手に対する印象は生涯覆らない。
例えは悪いが仮釈放や前科みたいなもで、何か近所で事件が起きるたびに警察の訪問を受けその過去がほじくり返され「ああ、やっぱりお前か!」などとあらぬ疑いをかえられてしまう。
逆に第一印象が「しっかりしてそう。」というポジティブな印象だった場合も同じで、数年付き合って実は結構いい加減な奴だったとしても「しっかりしてるけど、時々ぬけてるよね。」などという評価になる。もしかすると「そこがいいんだよね。」なんておまけ付きで。
賢い読者諸君ならもうお分かりだろう。
両親への挨拶は、あなたの相手がこの先一生涯両親にどう思われるかという結構なイベントなのだ。
人生への影響、真面目に考えたことある?
突然だが、結婚後の人生の中で両親に頼み事をする機会は一体どれくらいあるだろうか?頼み事で一番多いのは借金だろう。
結婚式の資金・新居への引っ越し代・新婚旅行代・出産費用・保育園や幼稚園代というような人生の歩みと共に発生する費用もあるが、生活苦・事業の失敗・借金の累積などのアクシデント的な費用もある。
次は育児に関することだ。一番多いのが「子供の面倒を見て」というやつだ。共働きの夫婦にとって両親の助けはかなりありがたい。これが初孫だったりするとかなり積極的に面倒を見てくれることになり夫婦共々仕事に集中することができる。
また、細かいことで言えば、料理作り方から冠婚葬祭のマナーまでありとあらゆる相談相手の筆頭が両親ということになる。
もちろんあなたの頼みは聞いてくれるのが両親というものだが、もしあなたのパートナーが前述したような「そんなもの」という評価だった場合はどうだろうか?
平身低頭して借金の申し込をしているあなたが不憫でならない両親だが、あなたのパートナーに対しては「しっかりしろ!」と言いたくなる。何なら●●をクリアしなければいかんなどといらん条件を付けてきそうだ。
仕事の都合がつかず子供の面倒を見てほしい時に「●●くん(あなたのパートナーの名前)は何をしているのかね?」なんていらん小言ももらいそうだ。
もちろん第一印象が良くたって上記の事は当てはまるが、第一印象が悪いよりは絶対にスムーズだ。
また、何か両親にお願いごとをする度にパートナーの文句ばかり言われていたら、そのうちあなた自身の足も実家から遠のくことになってしまう。そうなればさらにお願いごとはスムーズにいかなくなるのだ。
風が吹けば桶屋が儲かるくらいの話に聞こえるかも知れないが、それよりは現実的な話だ。「老人が増えれば桶屋が儲かる。」くらい当たり前の話なので否定のしようがないはずだ。
最初にも言ったが、この儀式を軽んじてはいけない。
だが、変に重くとらえる必要もない。要はしっかりと好印象で終えればいいのだ。
初戦 婿vs花嫁の父
さて、プロポーズまでは二人の間を行き来する「いつにする?」という言葉は何だかとても楽しい響きだが、結婚することが決まると急に「いつにするの、ねえ?」と、ちょっと重ための響きになりがちだ。
まず男性陣はこの詰問調の「いつにする?」で心が折れる。
ただでさえ面倒くさそうなイベントなのに自分の愛する女性が敵側の位置に立ったような気さえする。
多くの男性にとって、花嫁側の両親への挨拶とはそれほどまでに重いと女性は理解しておく方がスムーズだ。
「いつにするの?ねえ。」よりは「そろそろ私の両親に会う?」くらいのソフトな感じでお願いしたい。なお枕詞に「緊張するとは思うけど」文末に「私がついているから大丈夫!」とか励ましが入っていると世の男性の腰が少し上がる可能性があるので実施してみてほしい。
さて、実際に挨拶に行った時のことを想像してみると
急にお義父さんが不機嫌になって
「娘はやらん!」とか「認めん!」とか言われたら
どうしようなどと考えてしまう。実際にはこういう昭和的お義父さんは絶滅しているようにも思えるが、「いや嬉しいな。俺、ずっと息子が欲しかったんだよー。」なんて言ってくれる
デキたお義父さんも同じくらいの希少に違いない。
花嫁の父にとって愛しい娘を奪っていく男は少なからず愛おしい存在ではないので
花嫁の父としてはもちろん、人生の先輩としても「ひとこと言ってやりたい。」のが人情だ。
そして、この先の付き合いを考えればちょっとマウントを取っておきたいのも事実だろう。
そんな思惑を踏まえ、いかにスムーズにこの面倒なイベントをクリアするかだが、
まずは「いつ?」だ。
両親が近くに住んでいるならおススメは金曜日だ。
遠方であれば泊まりも考えなくてはならないので土日や祝日になってしまうが、近くなら敢えて金曜日をチョイスするべきだ。
仕事を早めに切り上げて18時くらいに集合できるのがよい。
仮に会話が弾まない場合でも一緒にいる時間が短くてすむというメリットもある。
そして「どこで?」は、「外食」がおススメだ。
もちろん、花嫁の父に挨拶というと自宅にうかがうのが一般的なイメージだが、
外食にすることで儀式的な要素が薄まるのと、迎え入れる側の両親に食事の準備等の負担をかけることがない。
お店選びも重要だ。
大衆的な居酒屋はもちろん、チェーン店などは論外。
普段は行かないグレード高目なホテル内レストランの個室あたりが無難だろう。
普段からこういった場所をよく利用しているなら、普段よりちょっとグレード高めな店を選ぶことがポイントだ。なぜなら、若い男性の小慣れ感ほど癇に障るものもない。
「僕が良く使うお店なんです。」とか「なじみの店で。」とか間違っても言わないことだ。キャバクラのお姉さんを口説くわけではないので。
「すみません。どうしても一度来てみたくて。」
なんて言い訳したりすれば、ちょっと可愛げがあり好感度もアップだ。
さらに外食のメリットとしては、サービスマンが上着や荷物の預り、イス引き、グラスが空になればオーダー、トイレの案内など当たり前のようにしてくれるので「気づかい出来る男?気づかい出来ない男?」の審査がなくなり、本来の目的であるご両親とのコミュニケーションのみに集中することが可能だ。
予約時に「今日は相手の両親に初めて会うんです。」なんてさわやかに伝えるとサービスマン達もテンションがあがりあなたの味方になってくれるのでホームでの試合状態だ。
メニューも花嫁がしっかり情報を収集してあらかじめ決めておくのがベスト。
「すみません。●●さん(嫁)に聞いて、こちらで勝手に頼んでおきました。もし違う物が宜しければおっしゃってください。」
と言っておけば、「何を召し上がりますか?」という気づかいもいらなくなる。
ただし、最初の一杯はお義父さんに選ばせるのべきだ。「今日この場で一番偉いのはあんた!」というアピールだ。
しかし、花嫁の父にとっても「相手の素性が分からん。」「今日の雰囲気がまだつかめない。」この状態ではなかなか選びにくい。
「うむ・・・。今日は大事な話があるらしいからウーロン茶にしておこう。」なんてしかめ面して言われても困る。ここは選択肢を与えて選ばせるのがベストだ。
「乾杯はシャンパンかビールどちらにしますか?」
これでOKだ。もちろん事前にお酒が飲めないと分かっているなら「シャンパンとビール」の後に「ノンアルコールのシャンパンとビールもありますので。」と伝えておこう。(お店になければ仕方がないが・・・。)
とにかく、花嫁の父に最初のセレクトをさせ持ち上げることと、「ウーロン茶」や「水」などと言われないようにすることが肝要だ。
最初のドリンクがくるまでの会話は
「ここまでどうやって来たか。」話で十分だ。
新幹線なのか飛行機なのか、JRなのか地下鉄なのか?
「ああ、あそこ混んでますよね。」
「いった事あります。」
それでも詰まったら自分が会社からどうやって来たかを説明すればよい。
ただし、笑顔だけは忘れてはならない。
乾杯のドリンクが配られた後は挨拶だ。
こちらが招待したのだからまずこちらが挨拶をするべきだ。
「今日は遠いところをお越しいただいてありがとうございます。●●さんとお付き合いさせて頂いております●●です。まずは乾杯をさせて頂いて宜しいですか?」
と、このままの勢いで乾杯してはならない。
「では、●●さんのお父さんに乾杯の音頭を。」
ここでも「あんたが一番偉い!」感をだしておこう。また乾杯の音頭をとらせることで、温度(ダジャレ?)感もわかることだろう。
乾杯と共に料理が始まってしまうと挨拶のタイミングを逸してしまう。
「乾杯終わったら、ちょっと話をしたいので少しだけ料理を出すのを待ってほしい。」と
あらかじめレストラン側に言っておくといいだろう。
勘のいいレストランスタッフはあなたの一世一代の挨拶をじゃますることはしないだろう。
決め手 シンプルな挨拶
さて、その挨拶だが、おススメはシンプルだ。
「●●さんとの結婚を認めてほしい。」
「●●さんと結婚させてください。」
といいながら「お願いします。」と頭を下げる。
これが一番良いだろう。
ここに能書きや約束ごとなどはいらない。
「必ず幸せにしますので、●●さんをください。」はちょっと前時代的な感じがしないでもない。また、必ず幸せにするなど約束事をちらつかせても突っ込まれるのがオチだ。
「必ずと言ったが、その根拠は?」などと言われても出しようがない。
答える側に「YES」か「NO」しかないお願いで良いのだ。
終わりよければ・・・
無事に挨拶も終わり花嫁の父も「うむ。」とか「ぐむ。」とか返事なのかよくわからない返事をもらい緊張の食事を経て何だかうやむやな感じがするかも知れないがとにかく儀式は終わった。
そして、大切なのがお会計だ。
もちろん招待したのは新郎新婦なので二人が支払うべきだが、
「生意気ながら、今日はこちらで。」なんて言っても本当に「生意気」だ。
いくら言葉を尽くしたところでこの感じはぬぐえない。
ここは嫁の出番だ。
切り上げ時にお化粧室に行くふりをして会計を済ませておく。
そして席に戻って「今日は私たちに支払わせてね。」とさらっと言ってしまう。
他人である新郎に言われるより、「生意気」感はぐっと減ることだろうし、
「ああ、しっかり二人で相談したんだな。」とお義父さんはちょっとした寂しさと共に安心もされることだろう。
新郎は、嫁の「支払わせてね。」の後に「すみません。」くらい軽く言って頭下げるだけでOKだ。
無事に会計も終わり、さあ解散。
嫁は会計時にしっかりお店にタクシーを呼んでもらっておくべきだ。
ここで間違っても「足代」なんて渡してはNG。それこそ「生意気」だ。
「ここのホテルの●●(お菓子)、とてもおいしいので、後で食べてください。」
くらいの手土産を渡して、タクシーをお見送りして終了。
「次回はゆっくりお邪魔します。」とか「今度はご自宅にうかがいます。」とかまで言える状態になっているとしたらかなり完璧な時間だったと言えるだろう。
嫁は嫁の役割を知れ!
さて、次は嫁が新郎側の両親へと言いたい所だがその前に言っておきたい。
前述した挨拶時には嫁の働きがとても重要だ。
まず、立ち位置を明確にするべきだ。
嫁も「挨拶に来た側」だということを理解していない事が多い。
口ごもる彼を「大丈夫?」なんて顔で見ている場合ではない。
ご両親に対して口火を切るのはあなたの役目だ。
「今日は時間をとってくれてありがとう。」
そして、しっかりと彼を紹介してあげることで彼も口火を切りやすい。
「●●さん(新郎の名前)は、●●という会社で●●のお仕事をしている方です。●●の出身で、お父さんの同じ●●部なのよ。●●さんとは●年前に出会って、●年お付き合いをしています。」
既に事前に話しているかも知れないが概略を説明することによってそこにいる皆がこれからはじまる儀式を理解することが出来る。
ようするに前説だ。職場でも優秀なファシリテーターは会議の最初に分かりきっている今日のアジェンダを確認の意味も含めて繰り返す。
「今日の議題ですが、●●の件と●●の件、最後に●●について・・・。」というように。
前説が終わればしっかりとバトンダッチだ。
「そんな●●(新郎の名前)さんです。では、はりきってどうぞ!」
というわけだ。
出来ない嫁は大抵「今日は時間ととってくれてありがとう。こちらが●●さん(新郎)です。今日は●●さんから挨拶があるので・・・。」とか何とか言って「後は宜しく。」の丸投げ状態だ。
貴方の愛する人は今完全アウェー状態。
「頼りない!」なんて怒ってないでしっかりサポートしてあげるべきだろう。
決戦 嫁vs姑
さあ、逆バージョンの戦いだ。
新郎家にお嫁さんが出向く場合、「結婚を承諾してください。」というより「これが俺の選んだ人です。」という「紹介」の意味合が強くなるのが一般的だ。
ご両親も「なかなかいいお嫁さんじゃないか。」となり、
「うちの息子はやらん!」とかいうことにはなりがたい。
ただし、「花婿の母」からの見えない品定めビームは強烈で、
お嫁さんはかなりのプレッシャーを受けることだろう。
のんきな男性諸君。この先、嫁姑問題に悩みたくないなら真剣に読むべきだ。
人間の印象は第一印象でほぼ決まるという定説はこの関係にも当然のようにあてはまる。
この先の人生を考えたら「花婿と花嫁の両親」より「花嫁と花婿の母」の関係の方が重要なのは語るまでもないだろう。
というわけで、ここをうまく乗り切りさえすれば、その後一生嫁姑問題に悩まされなくて済む可能性もある。
そして、のんきに嬉しそうにビールを飲んでいる「花婿の父」は全くノーマークで大丈夫なので「花婿の母」ワンマークだ。
さて、その戦いの場だが、こちらは「外食」でない方が良いだろう。
何故ならば、前述したようにサービススタッフが全てやってしまうので
「気の利かない嫁ね!」と思われてしまう可能性があるのだ。
概ね花婿の母は「重箱の隅をつつく。」体制でいることを忘れてはならない。嫁側がいくら「レストランだもんね。私が余計なことするとかえって邪魔だもんね。」なんて言い訳を心の中で述べても無駄だ。
嫁にとっては最もアウェーであろう新郎の実家が戦場になるわけだからかなり作戦を練らなくてはならない。
作戦 姑のエリアを占拠せよ!
その作戦は?というと…。
花婿の母、つまり姑にとってキッチンやダイニングは完全に自分のエリア「手出し無用」のパーソナルスペース。だからこそここに入り込むことが出来れば、「受入れ」終了なのだ。
推奨する作戦は「速攻!」
かの有名な武将、武田信玄の「風林火山」のように「迅きこと風のごとく。」「侵略すること火のごとく。」だ。
「この人が●●(嫁の名前)です。俺たち結婚します。」的な新郎の挨拶が終わり、
「●●(嫁の名前)と申します。宜しくお願い致します。」があり、
簡単な質問やらがはじまり、
一段落すると、よっこらしょと姑が立ち上がりキッチンに向かうはずだ。
ここだ!このタイミング!
それまでも姑は飲物を出したりお菓子を出したり行き来しているはずだが、嫁は話の中心にいるので、ここではまだ席をはずすことはできない。
話の流れが「嫁への質問」から、「新郎の思い出話」や「日々の心配事」の話になったタイミングなのだ。
「そろそろ、ご飯の準備でもしようかね。」的な雰囲気で姑が立ち上がったら、
「あ、私にもお手伝いさせてください。」と相手の返事を待たずに立ち上がる。まさに迅きこと風のごとくだ。
姑は「いいのよ、お客様なんだから。」と嫌味なのか本音なのか分からない防御を張るだろう。しかし、嫁は「折角ですから配膳くらいさせてください。」とか何が折角なのか分からないようなことを言いながら、ついていっちゃえばいいのだ。
これこそ侵略すること火のごとく。
さあ、キッチン侵攻に成功した嫁。まずは第一作戦成功だ。
しかしながら、完全に姑仕様のキッチンにいきなり飛び込んでも、
どこに何があるかは分からず、戸惑うことばかり。
ここで徹したいのは「ランナー」だ。
つまり、キッチンとダイニングを行き来する人のことをいう。
「何をしましょうか?」とか言ってはならず、「何を持ってきますか?」から行こう。
誰だって自宅にお客様を招待する時は結構な段取りしているはず。
そこに知らない人が来て手伝いますと言っても段取りが壊れるだけだ。
しかも、こういう時のお料理はすでに作っておいてあることが多いので、最早やることはない。
嫁がランナーをしてくれれば、姑もいつもの食事より目に見えて楽になってるはずだ。
そして、会話もスムーズだ。実は事務的な会話しかしていないのだが…。
「次はこれ持っていきますね。」
「お義母様、お箸はどちらですか?」
「お義父様のビール注いできますね。」
とか、イメージは飲食店のホールスタッフ。言い換えると。
「次、三番テーブルお通しもっていきまーす!」」
「二番テーブル、ほっけあがりましたー!」
「一番テーブルビールいっちょー!」
と同じだ。
嫁はでしゃばらずに「静かなること林のごとし。」だ。
ようやく一息ついて
嫁姑が席に着くころにはすっかり打ち解けているだろう。何故ならばチームとして共同作業をしたからだ。
そして、姑が座った後は台所に何があるかをある程度知ることのできた嫁が、引き続き台所にポジショニングし配膳をすることで、姑を席に座ったままにすることが出来る。お気づきだろうか?
「動かざること山のごとし。」になっていることに。
これで、もう台所の占拠終了。
帰り際に「すっかり働かせちゃったわ。○○(嫁の名前)ちゃん、有難うね。」
と、姑に言われたら「私こそ、図々しくてすみません。でも楽しかったですー!」
くらい言ってやろう。
新郎も新郎の役割を知れ!
さあ、貴方の愛する女性が、貴方の実家で孤軍奮闘している中、
お父様とビールを飲んでいる場合ではない。
その頃キッチンでは、将来にわたる大事な大事な一戦(まさに負けられない戦い)が行われると認識しておくべきだ。
ではあなたは具体的にはどうすればいいのか?
時々台所にふらっと顔を出し「何か手伝おうか?」とか「これ、うまそう。」とか、邪魔しに行けば良いのだ。
そう貴方が女性二人の「共通の敵」になればいいのだ。
まさに昨日の敵は今日の友。より強大な敵になればなるほど結束は固まるのだ。
「もう、いくつになってもだらしないわね。」
「昔からこうなんですか?」
など、あなたの悪口で盛り上がればあなたの役割は終了だ。
ナイスサポート!
お・と・う・さ・ん
さて、新郎新婦にとって、お相手の両親をどう呼ぶか。
これは意外と問題だ。
漢字で書けば「義父・義母」だが、
「お父さん」も「お義父さん」も呼び方は「おとうさん」。
まだ、承認もしてもらっていないのに「おとうさん」とか呼ぶのは抵抗がある。
かといって苗字で呼ぶのも変だ。
「●●(新婦)さんのお父様お母様、今日はお時間を頂いてありがとうございます。」というように言えば抵抗なくないだろうか?
そして、二、三回「●●(新婦)さんのお父様」と言いつつ、しばらくしたら「お父様」とさらっと言ってしまえば、「●●(新婦)さんの」を省略しただけだもんねー。
みたいな気持ちで言えないだろうか?
これは意外と使えるので是非実践してほしい。
戦いが終わって
相手側の両親との初顔合わせやご挨拶は、とっても気疲れするものだ。
相手が自分の両親との挨拶を終え二人になったら思いっきりねぎらうべきだ。
何せ一生に一度の戦いを終えたのだから。
そして、仮に自分の両親から不評だったとしても
「よかったよ。両親も喜んでたよ。」と言っておこう。
「何やってんのよ!だらしない!」なんて言ったところで何も良いことはない。「俺だって一生けん命やったんだよ!」とケンカになるのがオチだ。
そして、両親に電話をしておこう。
仮にあなたのパートナーがあなたの両親とうまくいきそうにないとぼやいたとしても、
「今日はありがとね。まだ●●さんも一緒にいるけど、とても楽しかったって!また行きたいって言ってるよ。」とかフォローも忘れずにしておけばなおよい。
パートナーと両親はあなたを介しているのだ、あなたの立ち回り次第で好きにもなるし嫌いにもなる。
「ねえ、あなたの事Aちゃんが好きって言ってるよ。」とBに言われ、BがAちゃんに「ねえ、あなたのことC(あなたのことだ)が好きみたいだよ。」と言われた後、あなたとAちゃんは共に良い印象を持たないだろうか?うまくいくかは知らんが。
プロポーズや結婚式に関しては、世の中に色々な情報が氾濫している。そして本人も結構考えるのだがこの「両親への挨拶」に関しては、あまり深く考えてないように思う。
しかしこれから続く二人の将来を考えた時もしかすると一番大事なセレモニーがこの「両親への挨拶」かも知れない。