男は大抵の物を捨てない。
ダメージというより、ただのぼろきれになったジーンズも、
経年劣化で燃費がアメ車なみの軽自動車も、
学生時代にはじめて買った数万円する革ジャンも。
ポケットから携帯が落ちようが、
毎月の小遣いをガソリン代で使い果たそうが、
ちょっと不思議な異臭が漂っていようが捨てられないのだ。
女性からの「何故捨てないの?」という問いに
「まだ使えるかも…。」とまるで子供のように
しょぼくれながら答える。
何故?
大抵の男には「基本、過去は自慢する。」という機能が備わっている。
獲得した品物はこのうえない証拠品として残しておきたいのだ。
学生時代に獲得したトロフィー。
女性は家の内装やデザインと合わないと思ったら即押し入れにいれるが、
男性はどれだけデザインを壊そうが飾る。
何ならトロフィー専用の棚なんかこしらえて
奥様が一生懸命考えたデザインをぶち壊す。
努力の結晶として手に入れた勲章は尊い思い出なので尊重してあげるべきだ。
だが、そうでない彼の品物(冒頭に述べたような)に対してあなたがやることは一つ、
だまってさっさと捨ててしまうことだ。
「何で捨てた!」と彼は一瞬怒るが、
「まだ使えるかも…。」程度の品物の場合、
実は彼もすっきりしている。